快復してきた

朝まで酒を飲み、そのせいで翌日は何も出来ずに終わる。二日酔いと後悔でベッドから出られなくなるし、それでようやく外に出たのが18時頃。前日のアルコールが抜けて体が元に戻っていくとき、酔いの高揚感が消えてゆく反動か、とても気分が落ち込む。この落ち込みに昨日の自身の馬鹿げた発言の記憶が重なって、ますますつらい。胸がスッと冷たくなり、背中が熱くじわりと汗が出るのを感じる。ふいにアルコール依存症になる人の気持ちが理解できると感じる。この不安感や気分の落ち込みから逃れるために、体内にアルコールをめぐらせ続ける必要があるのだ。それはアルコールを求めての事ではなく、アルコールが切れた状態への恐怖から。「あれをまた経験するくらいなら○○の方がましだ」このフレーズから様々な不適応があらわれる。究極的には、死ぬより恐ろしい事から逃れるために、死を選ぶ、という事が積極的に選択される。誰かがこの状況を耐えられるものにしてくれなければ、誰かが「Hold On」と声をかけてくれて、私を捕まえてくれていなければいけない。

そしてそれら全ては昨日の事になった。私は今快復期にいるといって良いはずだ。まだ胸が少し冷たいけれど、次第によくなるという希望が持てるようになってきた。今日は映画を観るか美術館に行くか、お祭りを見に行くか、何かしら出来るだろう。映画なら『パターソン』か『ベイビードライバー』、来週は『ダンケルク』『散歩する侵略者』が公開になるのか。そして11月に上映される『クレマスター』全5作は何としても観に行きたい。

『パリに終わりはこない』大勢の有名人たち、作家や俳優、映画監督、詩人その他もろもろの名前が散りばめられ、コラージュ的な感覚のある作品だった。私は結局「アイロニー」というものの事がよく分からない。登場人物たちの中でもとりわけ魅力的で印象に残っているのは、大勢の有名人たちではなく、Googleで検索しても名前が(少なくともカタカナで調べると)引っかからない何人かの人物たちだ。
語り手の質問に対して、的確な助言というか啓示のような言葉を与えてくれる《書く事を拒否している洗練された知識人で、真の作家であり、七〇年代にマルグリット・デュラスのまわりにいた取り巻き連の中でもっとも聡明な人物》ラウル・エスカーリ。『本物の模造品』のヴィッキー・バポル。『ヴィッキー・バポルはカルチェ・ラタンでもっとも美しい服装倒錯者で、しかもトルーマン・カポーティーの『ティファニーで朝食を』に登場するホリー・ゴライトリーにそっくりだった』。ボヘミアンのブーヴィエ。決して完成しない本を作るため、大勢の学生(のふりをする失業者たち)を雇ったトマル・モル。『彼はついにカフェ・ド・フロールのひとつの協会そのものになった』。

『アドルフォ・アリエータアンダーグラウンド映画『タム・タム』』のキャストに、ハビエル・グランデスエンリケ・ビラ=マタスの名前がのっている。

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夜は阿部共実『月曜日の友達』1巻を読んだ。いつの間にか秋田書店から小学館に移籍してるし。今回は割とまっすぐにボーイミーツガール、この場合ガールミーツボーイか?青春映画みたいな作品で彼女たちの目に映る景色や相手の姿に、澄んで透明な爽やかさがある。しかし「生まれてはじめて、友達ができたよ」の所とかは甘すぎる、トゥースイートというか、ではないだろうか。水玉が飛び交い満面の笑顔の子供たち、そして力強い言葉がある。「真夏なのに静電気がはじけた。ぱちんって音がした」とかクソ強い。