今日は渋谷で映画を観て、それから代々木公園に行ったらアフリカン・フェスティバルというのが開催されていた。ビールと肉を食べて、ライブを少し見て帰ってきた。映画館ではほとんど寝てしまったため、映画を観たというよりも、映画館で寝たというのが正しい。

代々木公園に行ったのは、何かボーっとする時間が、無為の時間が欲しいと思っての事だった。夕方、代々木公園駅から木々の薄暗がりの中へ入っていくと、セミやカラスの鳴き声が聞こえ、数人のランナーが公園内の道路を走っていて、遠くの池では噴水から水が吹き上がっていた。カラスが何羽もいて、その中を抜けて噴水へ近づいていった。ベンチに座っている人、レジャーシートを広げて寝そべる男女。噴水の上の方、上空にはうっすら雲のかかった月が出ていて、その時は雲とおんなじ白色をしていた。噴水にカラフルなライトがともる。赤、青、黄色、紫。実体のある影のように黒い木々とカラスの間を抜けて、イベント会場に続く歩道橋に向かって歩いているとき、空中をコウモリたちが飛び交っている事に気がついた。そして、無数のコウモリたちの向こうを一羽のカラスが横切ってゆく、そのシルエットが見え、さらにその先には、すっかり黄色く明るく色づいた月が見えた。この十分ほどの時間で、電球が点くみたいに月にも急に電気が通ったみたいで、その瞬間を見逃したと思い、すこし悔しかった。歩道橋の下には練習中のダンサーたち。階段を上がり、道路を横切る辺りから野外ステージの音楽がはっきり聞こえてきて、いくつかの屋台が出ているのも確認できた。日も暮れてしまったためなのか人はそれほど多くなかった。安心した。タイフェスティバルの時は、人が多すぎて屋台にも行列が出来ていて、それに並ぶのが嫌で早々に帰ってしまったから。とにかくボーっと出来る場所に座りたくて、だけどお腹もすいていたから屋台でチキンとビールを買った。野外ステージの外れに置かれていた飲食コーナーに座って、ライブを眺める事にした。ステージ上も、観客たちもアフリカ系の人やアジア系――ほとんど日本人なのだろうけど――の人が大半で、あとはそれ以外の地域の人も何人か。タップダンサーがステップを踏み、かすかにその音がパーカッションに混じりながら聞こえていた。子供が走っていき、ステージで踊る人たちに加わりたそうにしていて、その子の父親が「混ざってこいよ」と言っているような動作をしているのが見えた。赤いワンピース、ところどころ緑色の柄がプリントされている服を着たアフロヘアーの小さな女の子が右に左にステップを踏む。ステージ上には長いドレッドのダンサーもいて、足を交差させる軽やかなステップや独特のターンから、彼はハウスダンサーなのだろうと思った。結局音楽や踊り、観客たちの様子に集中してしまって、ボーっとする時間を過ごすという目的は果たせなかったけれど、楽しそうに過ごす人たちを見れてよかった。私がそれを見ていたとき、渋谷では盆踊りが開催されていて、そこでも大勢の人達が音楽に合わせて踊ったり、楽しく盛り上がっていたのだという事に気がついたのは、つい先程のことだ。