いったい何なんだろう

Youtubeで知った音楽家。桃山晴衣という方、9年前に亡くなってしまっているのだが、その三味線と歌が良い。

https://youtu.be/BIu31uF-zwY?t=342

父親が作曲した曲とのこと。これはかなり変り種で、タイトルが涅槃を意味することもあってか、インド風のニュアンスがあり、一の糸の音をドローンのように使っているところも面白いのだが、何よりこの映像が良い。断続的にノイズが走る画面。和服を着て正座で演奏する桃山。その前に置かれた楽譜台、背後の障子。音楽が流れていても、画面には静けさがある。ここまでカッコいいのはなかなか無い。

https://youtu.be/BIu31uF-zwY?t=209

同じ動画の別の場面だが、喋っているところも凄くいい。まず声が良い。映像も、ほぼ中心に座っている桃山と周囲を踊りながら回る男性たち。映画の一場面のように出来上がっている。話し方も良い。

すごく、色々、やってみて、一番、今大きく思ってるのは、あたしたちの歌っていうのはいったい何なんだろう、って事。全然とりとめがなくなっちゃって拡散しちゃっててね、これは何にも言える事なんだけども。あたしたちの歌っていうのはどこ行っちゃったのかなと。誰も歌わなくなっちゃてるし。それは、あの不思議なのね。地方行ってもね、んー、五十代、から、上の人はね、歌えるのみんな。もっと年寄りはもっと上手いのね。ところが、あの、木曽なんかの、木曽節みたいあんな良い唄を、その土地で持っていながら若い子は全然歌えないの。歌える人がとっても少なくなってる。例えば高度成長に入ってからもうバタッと地方でも都会でも、駄目になっちゃってる。

 「いったい何なんだろう」と「もっと上手いのね」のところが好き。「な」の発音の仕方も何とも良い。