ここにブランコがある

アイスランド。首都はレイキャヴィーク
日本からの直通便は無いため、ヘルシンキコペンハーゲン、あるいはロンドンなどを経由する必要がある。国際線が発着するケプラヴィーク国際空港はレイキャヴィークの西50kmほどの所にある。移動はバス。

レイキャヴィークのバスターミナルに着くと、目の前にあるのは駐車場に停められた車。そして建物がまばらに建っていて、それ以外は木々と草地だけ。いったいどんな田舎に来てしまったのだろう。高層ビルというものは無い。そして北東の方角にたった一つだけ、尖ったピラミッドのような三角形が飛び出しているのが見える。レイキャヴィークにおける唯一の目印、ハットルグリムス教会、あるいはハトルグリムスキルキャ教会だ。wikipediaが嘘をついているのでなければ、アイスランドで最も高い建物である。73メートル。教会の正面にはレイフ・エリクソンの像が建っている。西暦1000年ごろ、アメリカ大陸(ヴィンランド)を発見したとされるヴァイキング。そうだ、ここが『ヴィンランド・サガ』の舞台だったと気づく。像の周囲は広場のようになっていて、パイプオルガンのパイプが2次関数のグラフのように並んでいるかのようなハットルグリムス教会はたしかに美しい。教会の展望台からはレイキャヴィークの街を見渡すことが出来る。眼下には家々、正面にはスコーラヴォルズスティーグル通りがまっすぐ伸びている。向こうには海。
教会から西、直線距離で500メートルほどのところにはチョルトニン湖があり、北岸には市庁舎がある。湖には白鳥などの水鳥が憩っている。冬には水鳥たちが泳ぐための一部分を除いて凍結し、市民のスケート場となるそうだ。夜は周囲の街灯や、建物の明かり(あれはライトアップされているのだろうか)が美しい。晴れていれば星も綺麗だろうか。冬の夜、凍結したチョルトニン湖の真ん中で街の明かりと星を眺めることが出来たら素敵だろうな。それにオーロラ。オーロラと白夜のアイスランド
市庁舎の東のエリアから先程のスコーラヴォルズスティーグル通り付近一帯がレイキャヴィークの繁華街なのだろうか。こういうことは実際に行ったことが無いと中々わからないものだ。その辺りは道幅も狭く、店舗や歩行者が多く、道路が石畳になっているところもある。ロイガヴェーグルという通りには洋服店、レコードショップや雑貨屋、パン屋、レストラン、宝石店、ギャラリーなどのお店が立ち並び、ところどころにベンチがある。座って休む人や、レコードを眺める人、ベビーカーを押す母親たち、どこも人影まばらなアイスランドの中で、この場所には安心感を覚える。さてこのロイガヴェーグル通りそのまま下っていくと、その先に「アイスランドペニス博物館」がある。個人コレクションの生殖器標本を展示している私設博物館のようだ。きちんと公式ページも存在する。ギャラリーを見ると尖った三角錐のような形をした標本が目に留まる。なるほど、これとよく似たものに見覚えがある。

繁華街エリアから車で20分、15kmほど南東へ向かうとそこには自然保護区ヘイズモルクがある。Googleマップでは「公園 Heiðmörk」と書かれているが、公園というにはあまりに大きく、実際のところは針葉樹をはじめとした草木の生い茂る森林地帯だ。この森林地帯を通るヘイズモルクヴェーグル沿いに、おそらく駐車場だろう、砂利が敷かれた開けた空間がある。大自然の中にささやかな人工物がある。この感じを何といえばいいのかわかないが。道路を挟んで両側に、T字の水平線を向かい合わせるような形で岩が並べてられている。空間の外縁に沿って並ぶのは先程のものより小さい岩。もしくは大きい石といったほうがよいかもしれない。駐車場の南に目を向けると、小さい子供が描く絵そのもののような小屋。これはトイレだろう。そして視線を右のほうへ移すと白いブランコがある。

Google マップ